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ISO本部 スイス・ジュネーブ便り 現在スイスのISO本部に出向中の千葉祐介が、仕事や生活など“ジュネーブの今”をお届けする連載コラムです。

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第5回 急がば回れ?

最近起きたあまりよくない事例を紹介したい。

規格開発ルールに多少詳しい人からすれば、当たり前なことを言うなとお叱りを受けるかもしれないが、もしかしたら実体験がある人もいるのではないだろうか。

国際会議が開催される4か月前までに、会議の議事次第をメンバー国に送らなければならないルールになっている。そして会議で決議をとりたい案件については、この議事次第に含めておかなければならない。もちろん、会議前に議事次第を修正したり議題を追加したりすることはできる。ところが、ある委員会では、事前に回付した議事次第に含まれていない案件を会議で決議をとってしまったのだ。

そもそも、なぜ事前に議事次第を回付しなければならないのか。これは各メンバーが各議題に対してしっかりと国内で議論してきて、それに対する各国の主張やポジションを決めなければならないためだ。したがって、原則としては、議事次第に含まれない案件に関する決議はとれない。

しかし、この委員会では、ものすごく重要な規格開発の案件に関して、議事次第には時間的な問題もあって載せられなかったが、その次のステップに進むことを決定してしまった。これに怒ったのが、会議に参加できないメンバーたち。すぐさまその決議の無効化を働きかけて、会議で長時間かけて議論した内容を振り出しに戻してしまった。問題の会議が開催されたのが、2014年11月。そして、2015年3月に、ようやく議論の決着がついた。

実際にTPMを担当していると、様々な経験ができる。この今後も、こういった事例などがあれば、適宜紹介していきたい。

筆者:千葉祐介
2014年11月から1年半の予定で、スイスのジュネーブにあるISO中央事務局に出向。
現在の役職(担当):
Technical Program Manager
趣味:テニス、旅行、温泉
特技:テニス、スキー

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