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ISO本部 スイス・ジュネーブ便り 現在スイスのISO本部に出向中の千葉祐介が、仕事や生活など“ジュネーブの今”をお届けする連載コラムです。

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第7回 高齢化する世界で

筆者の職務はTPM(Technical Program Manager) であるが、これ以外の大きな業務としては、「高齢化社会と標準化」というテーマが与えられている。まだ道半ばであるが紹介したい。

ご存じのとおり、高齢化社会は日本だけでなく世界中で話題となっている。様々な組織が数多くの調査レポートを出している。細かいデータなどには若干の差はあるが、確実にいえることは、今後、世界は高齢化率が上がっていくということである。例えば国際連合が出しているレポートで下記のデータが紹介されている。この表からも見てとれるとおり、65歳以上の人口比率が、あと50年ほどで20%近くまで上昇することがわかる。

世界人口の動向等

  1950年 1950年 2060年
総人口 2,525,779 6,916,183 2,525,779
65歳以上人口 128,427 530,507 9,957,399
65歳以上人口比率 5.1% 7.7% 17.6%
合計特殊出生率 5.0 2.5 2.2

出典: UN, World Population Prospects:
The 2012 Revision 表 1-1-12

ISOでは高齢化社会に対する対応は以前から行っている。最も顕著なのは、ISO/TMB(技術管理表議会)の作業グループで開発されたISO/IEC Guide 71(仮訳:規格におけるアクセシビリティ配慮のためのガイド)がある。これは、製品規格を開発する規格開発者のために、その規格においてアクセシビリティを配慮した規定にするためにどのような事項に配慮すべきかを記載したガイドである。その他、各個別委員会でも高齢化社会に関連する規格を開発しており、それらの活動は、別途紹介したい。

こういった現状において、ISO全体(さらにIEC、ITUも含めた)で、高齢化社会と標準という大きなテーマに基づいた統一した検討をすることが一つの大きなターニングポイントとなると、個人的には感じている。赴任期間中に、ここで、何かしらの報告ができることを期待している。

ところで、「健康診断」について一言。

日本では会社に所属していれば健康診断を毎年受けることになっている。ところがジュネーブでは義務としての健康診断はないようである。ジュネーブで生まれ育った同僚に、日本では毎年健康診断を受けるのが義務であると言ったところ、非常に驚かれて、「だから日本は最も長寿な国なんだね」と言われた。その場では笑うしかなかったが、確かに長寿の原因の一つなのかと思った。こちらの人から言わせれば「重箱の隅をつつくような診断にお金などかけられない、体調が悪くなったら病院に行けばよい」というスタンスのようである(もちろん全ての人の見解ではないと思うが)。日本に生まれてよかったと感じた。

筆者:千葉祐介
2014年11月から1年半の予定で、スイスのジュネーブにあるISO中央事務局に出向。
現在の役職(担当):
Technical Program Manager
趣味:テニス、旅行、温泉
特技:テニス、スキー

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