HOME > スペシャルインタビュー > 吉田敬史氏 【第2回】 ISO14001改訂に日本が果たした役割

【第2回】ISO14001改訂に日本が果たした役割 「手順」ではなく「プロセス」にすべき粘り強い主張に賛同が集まる

Q:今回のISO14001の改訂で
日本が果たした役割は何でしょうか?

吉田氏:
ISO14001の取り組みは現在3分の2を発展途上国が占めていますが、1996年のスタート時は日本を含めて先進国のみの参加でした。日本の大企業についても、ほぼ2000年までに認証取得を終えています。

当初、諸外国からは「日本企業の認証取得は、どうせ輸出のためだけだろう」と揶揄されていましたが、時が経過し、これまでの適用経験の積み重ねや提言から、(輸出のためだけではないと)しっかり存在感を認められています。

前回の改訂は2004年に行われましたが、要求事項が追加されることもなく、わずかな変更でした。つまり今回の改訂は、実質的には1996年版を20年ぶりに全面的に見直すというものでした。2004年改訂は30日間前後で改訂内容が決定したのに対し、今回の改訂は議論を重ねること実に48日間……かなりの時間を要しました。

改訂内容でポイントとなった1つは、「手順」についてです。この部分について、日本の主張はハッキリしていました。「手順があって、ハイ認証!」……というのがこれまでの流れですが、たとえ手順があっても、正しく実施され、期待した結果が得られるとは限りません。EMSの有効性を向上するために「手順」から「プロセス」へと考え方を変える。これが日本の主張でした。

「プロセス」とは、結果を出すための仕組みで、「手順」に加えて必要な資源を明確にし、計画した通りの結果が得られているか確認するために必要な監視及び測定を行い、結果が出ていなければ改善するといった機能を包含するものです。

結果を出すことを保証するには、手順ではなくプロセスにしなければならない、という信念を訴え続ける日本……そこに多くの賛同が集まります。最終的にすべての手順はプロセスに置き換えられるということにつながりました。より“結果を出す”仕組みを目指した今回の改訂にあたり、日本の役割は大きかったと思います。

吉田敬史
合同会社グリーンフューチャーズ 代表。ISO/TC207/SC1日本代表委員として、1993年にスタートしたISO14001策定に当初から参画し、以来20年以上にわたり、国際的な規格開発及び改訂作業に携わってきた。ISO14001の2015年改訂では、その対応国内委員会委員長として、中心的役割を果たす。

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