HOME > スペシャルインタビュー > 吉田敬史氏 【最終回】 改訂されたISO14001に期待すること

【最終回】改訂されたISO14001に期待すること 環境と企業がともに良くなることそのために不可欠な経営者の意識

Q:今回改訂されたISO14001に
期待することは何でしょうか?

吉田氏:
新しいISO14001は本当に有効なものにしたいと思っています。いい仕組みがあって、環境と企業、両方とも良くなっていくことを期待しています。

その実現のためには、ISOの担当者レベルで問題を抱え込んだり、悩んだりすることはダメ。絶対やめて欲しい。経営層が参画し、自ら取り組みを牽引するようなハイレベルで戦略的なものであることをわかって欲しいと思います。

ISO14001の取り組みは、企業によってバラツキはあるものの、やっている企業はきちんとやっていますね。特に中小企業の経営者にとっては、この取り組み自体が非常にいい訓練になると思っています。なぜなら、ISO14001は経営そのものであり、経営のベーシックなことを学ぶことと同じだからです。

日本企業にISO14001導入が進んだ背景に、実は経団連の存在があります。経団連はISO14001の開発が始まる前に専門のワーキンググループを設置し、国際会議に委員を派遣するなど支援を行ってきました。1996年の初版発行直前には「経団連環境アピール-21世紀の環境保全に向けた経済界の自主行動宣言-」を公表。このアピールに呼応する形で、大企業を中心に急速に取り組みが進みました。

繰り返しになりますが、経営者には「ISO14001は自分の仕事だ」という認識でいてもらいたいです。そういった意味で、もう一度経団連から“ISO14001はトップ主導の仕組みである”などのメッセージが出ることを期待したいです。今回改訂されたISO14001は、環境と企業がともによくなることにつながる“インフラ”のようなものですからね。

今回のISO14001の改訂は前回(2004年)とは異なり、かなり大きな改訂ですので、経営層へのインプットを含めて時間がかかると思います。更新期日である3年のタイマーはすでに動き出していますので、認証審査の準備に入る企業には、早めの取り組みをおすすめいたします。

認証機関(審査登録機関)には、今回の改訂の意図を反映し、社会の信頼が得られるような適正な審査を実施して頂きたいですね。

吉田敬史
合同会社グリーンフューチャーズ 代表。ISO/TC207/SC1日本代表委員として、1993年にスタートしたISO14001策定に当初から参画し、以来20年以上にわたり、国際的な規格開発及び改訂作業に携わってきた。ISO14001の2015年改訂では、その対応国内委員会委員長として、中心的役割を果たす。

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