HOME > スペシャルインタビュー > 日本規格協会 審査登録事業部【最終回】ISO9001改訂で企業が留意する点(その②)

【最終回】ISO9001改訂で企業が留意する点(その②) 文書化の明示的な要求はなし自ら組織に応じた手順の準備を

Q:ISO9001改訂で企業が留意する点は
何でしょうか?

今回のISO9001の改訂では、文書化の要求についても大きく変化しています。これまでは品質マニュアルや文書化された手順の要求がありました。しかし、それを一律的に求めた結果、そこまで必要としない規模の小さい会社や組織などで負担が増加。ISO9001への取り組みで事業がやりにくくなるなどの声も聞かれました。

加えて、マニュアルなどの文書が「ある」「ない」という形式的な要求は、パフォーマンスを発揮することに必ずしもつながらない。取り組み方に関わらず文書があれば取得や更新できるなどの、ダブルスタンダードを生み出す原因にもなります。

そういった背景から、文書化の明示的な要求は今回なくなりました。とはいえ、どのような文書がどの程度必要なのかについては、企業や組織自らが置かれた状況に応じて決める必要があります。これまでの取り組みで上手くいっている組織では、すでにあるマニュアルに追加要素を少し付け足すだけでOKかも知れません。逆に上手くいっていない組織では、ゼロベースから見直しが必要となるなど、事業プロセスの運用のための、そして計画通りに実施されているかを確認できる最低限の文書化された手順の保持は求められます。

審査の視点で言うと、以前は文書化された手順の有・無のチェックなど、逐条的な確認でも良かった面がありますが、今回の改訂では、システム全体を俯瞰して有効かどうかの判断をしなくてはいけません。プロセスとしてしっかり動いているのか、パフォーマンスは発揮されるのか……あくまで結果重視のスタンスで確認することになります。

規格改訂が行われた今回、企業の方々には改訂の意図を理解する時間も含めて、新規取得・移行審査を問わず、早めの取り組みをおすすめいたします。当協会の審査は、規格発行元としての心意気を持ってやっています。当協会の審査をご希望される場合は、お気軽にお声かけいただけると幸いです。

  • 富田朝仁
    日本規格協会
    審査登録事業部長

  • 野口三和人
    日本規格協会 審査登録事業部
    技術管理チーム マネージャー

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